報徳学園中学校・高等高校少林寺拳法部
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自由研究;自他共楽について

報徳学園少林寺拳法部 部長・監督 金澤智章

 私が日々少林寺拳法を修行する中、そして高校生や中学生に少林寺拳法を指導する中、最も大切にしているのは「自他共楽」の思想です。「半ばは自己の幸せを 半ばは他人の幸せを」と置き換えた表現もありますが、私はこれを少林寺拳法の根本思想と位置づけて大切にしています。
 少林寺拳法の演練を通じて身も心も丈夫になり、自分一人が生きて行くには余りある活力が得られます。或いは得なければなりません。そして、その余剰はどうするのでしょうか。自分の名誉や利益のため、或いは自我を通すための力として使うのでは「自他共楽」の精神に反します。積極的に余剰を生み出してこれを他人のために、社会のために善用してこそ、その精神に則ったものとなり行としての少林寺拳法になります。
 私は報徳学園に学び、そして現在同校に奉職している関係で、報徳思想にも触れることができました。以徳報徳(徳を以て徳に報いる)に代表される報徳思想を樹立した二宮尊徳(幼名、金次郎)が追求したのは、この「自他共楽」に通じるものです。報徳思想においてこれは「分度推譲」という言葉で表されます。
 分度とは分限であり限度であり、人がなすべきことの範囲でもあります。これを収入と支出に例えれば、10万円の収入があれば5万円で生活し、残りの5万円は自分の将来のためや、困った人に役立ててもらうためなどに蓄えていこうというものです。自分のための蓄えは自譲、他の人々のための蓄えは他譲といいます。このようにして自分の分度(5万円の生活費)を定め、残りを余剰として推し譲ることが「分度推譲」です。
 二宮尊徳は次の言葉を残されました。これは『二宮翁夜話』の一節です。
  是れ則ち天理なり 〜 われ常に
  「奪うに益なく、譲るに益あり
   譲るに益あり、奪うに益なし」
  是れ則ち天理なりと教ふ。
  能々玩味すべし。

 二宮尊徳は、譲ることこそ世のため、人のためになるが、奪うことには一切良いことがないということを、常に「天理」として教えていました。
第二次世界大戦後大いに経済復興し、世界でも有数の豊かさを誇る国になった日本ですが、21世紀に入ってその現状はどうでしょう。アジア諸国や中国、インドなどの台頭により、日本の製造業の国際的競争力は低下し、大きな不況を招きました。その結果、殺人事件や詐欺事件、偽装事件、いじめや自殺など、痛ましいことが多発しております。こういった事件に共通するのは、物であれお金であれ、あるいは命であれ、全て他者の何かを「奪う」ということです。
 たとえば他人の財産を「奪う」と、一見その時自分は豊になったように思えるかもしれませんが、このような方法で富むことに価値があるのでしょうか。さらに、「奪われた」側はどうなるのでしょうか。これを思わず「奪」に走れば、禽獣則ち鳥や獣と同じになるのです。
 私たちはそれぞれ社会的立場が異なり、暮らしぶりも様々です。そういう中で、一人一人が分度をたてて、その分度を正しく守って生活してはどうでしょう。大小を問わず、経済的にも精神的にも余剰を作り、これを他人に、そして社会に譲ればどうでしょう。きっと物心共に豊かな世の中になるでしょう。
 報徳学園の校歌にこのことば盛り込まれています。

  「分度をたてて あやまらず、推譲もって 耕さむ」

 私たちは一旦分度を定めればその用い方や限度をあやまることなく、推譲の精神をもって自分の心を耕し、世の中を耕すよう努力しなければならないのです。
 奪うことに何の利益もありません。それよりも分度を守って余剰を作り、物心共に「譲る」精神が大切です。そして、この「譲」を実践することは「譲道」といわれ、二宮尊徳が最も重視したことです。

  「人道は譲道によりて立つものなり」

 開祖が目指された「自他共楽の理想の楽土」が、江戸時代に生きた二宮尊徳によっても別の言葉で端的に表されています。時代が変わっても、場所が変わっても「自他共楽」こそ我々人間が目指すべき、そして歩んで行くべき道であると再認識できます。

| その他 | 07:35 AM |

合同昇級試験

 県立鳴尾高校少林寺拳法部と合同の昇級試験を行い、受験者全員(14人)が3級に合格しました。試験官は鳴尾高校の建川先生、報徳学園少林寺拳法部OB福庭先生、金澤隆二先生、そして私が行いました。受験者は全員気合い満々でとてもよかったと思います。
 最後に建川先生が、ご自身の高校時代、大学時代の事を振り返り、専用道場のありがたさをお話し下さいました。高校の時は専用道場がなく、毎日自転車置き場の自転車を片付けてからコンクリートの上で練習、投げ技もコンクリートの上で行ったとの事でした。大学時代も専用道場がなく、芝生の上や校舎の片隅で練習し、芝生の緑やグランドの土の茶色が染み付いた道着で大会にも出場されました。
 報徳の生徒諸君は、専用道場がある事に感謝の気持ちで応え、それに相応しい行動をしていかねばなりません。
 昇級・昇段試験を繰り返して技術的には上達するのでしょうが、それと共に精神レベルを向上させ、日常の修行において、そして日常生活において「自他共楽」の思想を確実に実践したいと思います。

| その他 | 09:08 PM |

行事中止のお知らせ

 新型インフルエンザの影響により、次の行事が中になりました。
1 5月24日(日)関西フェスティバル
2 5月31日(日)兵庫県昇格考試

 なお、6月7日(日)に兵庫県立武道館において昇格考試が行われますので、5月31日(日)に受験予定の報徳学園少林寺拳法部員は、6月7日(日)に受験すべく手続をする予定です。

| その他 | 02:44 PM |

お知らせ≪追加≫

 新型インフルエンザの感染者増加に伴い、報徳学園も5月24日(日)まで休校になり、その間は自宅待機しなくてはなりません。従って、誠に残念ですが、5月24日(日)の関西フェスティバルは不参加とします。
 外出を控えて、手洗い・うがいなどの予防に努め、また5月31日(日)の昇段試験を受験する部員も多いので、学科勉強も含めて有意義に時間を使いましょう。
 また、その影響で誠に残念ですが5月24日(日)に予定されていました『関西フェスティバル』が中止になりました。引き続き自宅待機です。
 昇格考試受験者は特に、学科勉強など有意義に時間を過ごして下さい。合掌。、

| その他 | 06:08 AM |

少林寺拳法の6つの特徴

 4月に三段を受験する部員が3人おります。宿題レポートでも学科試験でも「少林寺拳法の6つの特徴」が出てくるので、この6項目の覚え方をひとつ!
 かなり無理はありますが、「なんだそんな覚え方。」と見下すよりも、覚えるために少しでもお役に立てばと思い、あえて発表しました。
『いちにこうかつ、一体、主体』と覚えます。「いち=一」、「に=二」、「こう=攻」、「かつ=活」です。
 以上でおおよそおわかりと思いますが、「一=拳禅一如」「二=力愛不二」、「攻=守主攻従」、「活=不殺活人」、「一体=剛柔一体」、「主体=組手主体」です。
 少林寺拳法には四文字熟語がたくさんあります。これらは覚えやすいので、あとはその順番や、どの四文字熟語かという手がかりがあればよいと思い、かなり無理があるのは承知でごろあわせ的に作りました。お役に立てば幸いです。また、もっと良い覚え方があればご教授願います。

| その他 | 05:27 PM |

第99回卒業式(3月14日更新)



 2009年2月21日(土)、好天に恵まれて報徳学園高等学校第99回卒業式が行われ、少林寺拳法部の高校3年生8名も無事卒業し、新たな旅立ちを迎えました。卒業生諸君は報徳学園で、そして少林寺拳法で学んだことを生かして『以徳報徳』、そして『自他共楽』の道を歩んで下さい。



卒業生の進路(3月14日現在)
小南貴洋:関西外国語大学≪特技推薦≫
五島有規:関西大学≪パイロット校≫
湊 貞人
山中裕人
横山貴充
前田諭志
盛 陵一:防衛大学校合格
愛媛大学理学部合格≪NEW!≫
清水隆文:慶應義塾大学理工学部
     慶應義塾大学経済学部合格
     早稲田大学創造理工学部合格

| その他 | 07:11 AM |

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